市場介入が実施されたときには、ニュースなどで「日本銀行が市場介入(為替介入)を行ったようです」といった内容を聞いたりされたことがあると思います。
このアナウンスだけ聞くと、日本銀行が自らの独断で為替の変動を目的に介入し、自らのお金で行われたと思い方が多いはずです。
私も為替を始める前など、何も疑問に思わずにそう解釈をしていました。

しかし、実際には日銀が独断と偏見で市場介入を行う事は、絶対にありません。
市場介入の権限は財務省トップの「財務大臣」にあり、日本銀行にはありません。
資金源とされるのも、日本銀行が用意するわけではなく、外務大臣が管理してある特別会計「外国為替資金特別会計」に入る「国庫短期証券」で市場介入が行われることになります。

国庫短期証券とは?

一般の方にはなかなか聞き慣れない言葉だと思いますが、簡単に言うと国債の中でも「短期国債」と言われる、償還(元本が戻ってくる日)までの期間が1年以内と短いものを言います。

国庫短期証券はまだ比較的新しい名称で、2009年2月より発行が開始されたもので、それまでは為替介入資金として資金調達する「政府短期証券」という名前のものでした。
英語で「Financing Bills」と言いので、FBという略称で書かれることがあり、そちらの方が馴染み深い方も多いかもしれません。

円売りドル買いの流れ

極端な円高傾向が進み、国内経済に悪影響が出ていると判断すると、財務大臣が市場介入する事を決定します。
日銀には権限も外為資金もありませんので、財務省でドルを買うための円調達をするため、国庫短期証券の国債を発行します。
その国債を売却することで得た「円資金」を、日銀の当座預金口座に入るという流れになります。
その資金で、日銀のドル買いによる市場介入が実現することになります。

買ったドルはどうなるの?

財務省が円を調達して日銀が円を売ることは分かりますが、買われたドルはどういった使い道になるのでしょうか。
一言で言うと「外貨準備」として保管され、運用されていきます。

為替レートの安定を図ったり、外国の国債や証券など、あと対外国への債務の支払いなどの為に備えている資金と言えます。

この外貨準備の残高は増え続ける一方で、2016年12月で「1兆2169億300万ドル」になります。
よく分からない金額になりますが、1ドル=100円で換算すると210兆円以上となります。

大半は米国債などになりますが、これだけの資金を保有していると潤沢なお金を持っているように思いますが、この外貨を持つ前には国内金融機関から円資金を調達しているので、国としての借金も反対側にはあると言えます。