毎日ニュースを見ていると、「1ドル=112円50銭ー112円55銭」などの為替レートが表示され、「昨日より○○銭円安になりました」と紹介されていることを、聞いたことがあるはずです。
毎日、為替レートが変わることが当たり前ですが、これは、「変動相場制」というものを日本通貨「円」が導入しているからになります。

世界の多くは「変動相場制」を導入していますが、為替レートが変動しない固定されている通貨は、「固定相場制」を導入しているからです。
若い方達やFXなど為替に興味がない方は信じられないかもしれませんが、日本も「固定相場制」を導入していた時代もあります。
日本が固定相場制を採用していた時は、1ドル=360円となっており、今の100円前後の時代と比較すると、比べものにならないぐらい円安の状態と言えます。
ドルに対して円が弱い通貨と言える時でした。

なぜ固定から変動へ移行したのか

日本だけが固定相場制を導入していたのではなく、一昔前の世界各国が「固定相場制」を導入していましたので、何1つ変わったことではありませんでした。

しかし、1971年8月15日に時のアメリカ大統領である「リチャード・ニクソン」が発表した政策により、固定相場制が崩壊し始めました。

第二次世界大戦以降、世界経済・為替相場の安定を目的としていた国際通貨基金IMFが設立されたり、固定相場制が導入されました。
それにより、世界の基軸通貨が米ドルになっていきました。
その時代に金と交換できる通貨が米ドルとなっていましたが、このニクソンが発表した政策に「ドル金の交換一時停止」がありました。
アメリカの財政赤字や金の産出量・保有量が減り、ドルの金交換に対応できない状態になったのが、この政策の発表と成ったようです。

これで、世界の基軸通貨であるドルの信用も下がり、固定相場制ではアメリカ経済が対応できない状態となり、ニクソンショックと言われる日から2週間ほどで、変動率上下1%び制度を撤廃し、固定相場から変動相場へ移行しました。

現在の世界中では、変動相場制を導入している国が殆どで、固定相場制を導入している国は20カ国程度になります。

固定相場制のイメージ国はと聞かれると、「中国」「ロシア」と答える方も多いかもしれませんが、中国は2005年7月に完全な変動相場制とは言えませんが、「管理変動相場制」を導入しました。
さらに、ロシアも2014年11月から変動相場制に移行しました。

固定と変動のメリット・デメリット

固定相場制はデメリットばかりではなく、メリットがあるから現在も一部の国で採用されている面もあります。

固定相場制のメリット

固定相場制の最大のメリットは、為替レートが変動しないので、輸出産業など国内の産業基盤が安定するという事です。
通貨の相場が固定されていると、どこの国に対しても同じ価格で製品を売ることが出来て、自国通貨が割安の場合は、輸出での利益が上げやすいと言えます。
ですので、輸出産業を拡大したい発展途上国などで、固定相場制が採用されている理由になります。

日本も戦後の高度経済成長の一因として、固定相場制だったこともあり、日本製品の輸出により成長していきました。
今でも、円安になると自動車など輸出産業が良いと言われますよね。

固定相場制のデメリット

デメリットは少し難しい話になりますが、「国際金融のトリレンマ」から脱却できないという事です。
国際金融トリレンマとは、「安定した為替相場」「独立した金融政策」「自由な資本移動」の3つにの内、2つまでしか実現出来ないという事です。
安定した為替相場と言うのは「固定相場制」の事ですので、1つが固定相場制で決まると、残り1つしか実現できなくなります。
自国で金融政策をし、外国と自由な資本移動を可能にするためには固定相場制を破棄しなければ実現できなくなります。

変動相場制のメリット・デメリット

変動相場制のメリットは、貿易などの不均衡が自動的に正されやすいという面です。
通貨の売買が容易なため、もし日本が大幅な貿易黒字がある時は、ドルの流入が大きくなり「ドル安円高」方向に進んでいきます。
そうなると、貿易黒字が抑えられる方向に進む事になります。

デメリットはなんと言っても、相場が安定しないという事です。
通貨自体が投機の対象となるので、急激な乱高下を引き起こしたりします。
安定が無くなれば、貿易の輸出入が安定せず国内経済への影響が出てきます。